●日本歯科心身医学会への出席そしてまさかの転倒事故

前回の院長ブログから4ヶ月以上経ってしまいました。すみません。

毎日の仕事と技工と勉強と山のような雑用に追われて気がついたら11月。

9月に、まさかの転倒事故。いつも行っている自宅近くのコンビニの駐車場で車止めにひっかかり、「死んでもラッパは離しません」ならぬ「顔面から転倒しても家族に頼まれたコンビニのサンドイッチは離さず」状態で、

手を着くことを瞬時に脳が要求しなかったため(あるいは寄せる年波に勝てず、反射が衰えていたため)、恐らくは顔面からアスファルトに激突。メガネは割れ、その破片が目の横、2cmのところに刺さりました。


自宅に帰って、妻子の「パパ!どうしたの!??」という驚愕の視線の中、

洗面所の鏡を覗きこんでみたら、予想以上に顔面血だらけで下唇は倍近い大きさに腫れ上がっていました。

「なんで私がこんな目に」と思いつつ、気持ちが少し落ち着いてきましたら、

「まあでも、割れたレンズは眼球を避けて皮膚に刺さったし、歯も折れてなかったのは不幸中の幸いか」と思えるようになりました。

皆さんも気をつけてください。

因みに、下顎を強く打撲したため右の顎関節に痛みと開閉時の雑音がしています。


そんな怪我によって得た知識を参考までにお知らせしておきます。


下顎(下唇の下部の皮膚)の切り傷、擦り傷には、少し高価なバンドエイドを貼りました。大学の陸上部に在籍する長女から「傷の治りが早いよ」と教えてもらったのです。


左手の傷には、通常価格のバンドエイド(もちろん、少し大判)を貼って治癒の差を調べてみました。

「そんなに違いがあるのかな」と半信半疑でしたが、これが驚くほど違うのです。下顎の傷は、いわゆるカサブタは作らず、治りも早く、一ヶ月くらいで、ちょっと見ではわからないくらいになりました。

左手の傷は、見事にカサブタ(これが顔だったら目立つだろうなと思うほど派手な色調)ができ、転倒から50日経った今も周囲の皮膚とは明らかに違う色、盛り上がり具合です。


ということで、もし不幸にして顔に切り傷や擦り傷を作ってしまった場合は、「高価なバンドエイド」を使ってみたらいかがでしょうか。

ただし、受傷後わりと早い時期に使い始めないと(もうカサブタを作り始めてしまったら無効らしい)効果は得られないようです。ちなみに私は、朝受傷し、夕方に貼ったのですが、どうやらそれが限界くらいのようです。

歯科とまったく関係ありませんが、何かのお役に立てれば幸いです。


さて、7月26、27日と「日本歯科心身医学会・学術大会」に出席してきました。


今年のテーマは「心技一体の歯科治療を目指して」、大会委員長は私の歯科大時代の同級生の玉置勝司教授です。いつもながら、派手さは無いけれど、主として歯科心身症の患者さんの痛み・苦しさを取り除くための真摯な研究発表が多数行われました。学会後の懇親会では、医科歯科の豊福先生を始めとする名だたる歯科心身医学の専門医の先生方のお話を直接伺うことができました。学会の閉会後に、同会場で開かれたPIPCという聞きなれない名称のセミナーも受講しました。内科医や整形外科医などの精神科医以外のいわゆる“プライリー・ケア医”には当然のことながら身体症状(お腹が痛い、頭が痛い、腰が痛いなどなど)を訴える患者が来院されるわけですが、その中にはかなりの数の精神疾患を持った(あるいは、その精神疾患の症状のひとつとして身体症状がでている)患者さんが含まれています。それは歯科医院も同じだそうです。PIPCとは

Psychiatry in Primary care(プライリー・ケアにおける精神医学)の略で、

“精神疾患や精神的な問題を抱える患者に対して苦手意識を持つ身体科医(精神科医以外の医師)に対する教育プログラム”のことでした。講義内容は、

昔から精神医学を学ぶことが好きだった私には知っていることも多かったですが、

出席者どうしで行った問診についてのロールプレイングなどは新鮮で得るものが

ありました。これからの診療に役立てたいと思っています。


次回は、歯の酸蝕について最近読んだ文献から書きます。

本当は上の文章に続けて書こうと思っていたのですが、自分の怪我の報告が

長くなってしまったので、次回にまわします。

でも、実際にはこのあとすぐ書きます(笑)。今日書かないと、また先送りに

なってしまいそうな意志の弱い自分がここにおりますので。