●日本歯科心身医学会に出席してきました。

去る718日、19日の二日間、私も会員になっている日本歯科心身医学会の学術大会に

出席してきました。いわゆる“学会”というやつです。

今年は学会設立30年の記念の年ということで、いつも以上に活気があり、

また主管が東京医科歯科大学ということもあって、歯科医だけでなく、

一般の医師のご講演も多く、大変に勉強になりました。

なかでも、「“こころ”も診れる歯科医療を目指して」というテーマで行われた、

「心療整形外科という視点」(谷川浩隆先生)

「産婦人科領域の心身医療」(寺内公一先生)

「耳鼻咽喉科における心身症」(五島史行先生)

の三講演は、本当にためになりました。


特に谷川先生の

“心身医学はすべての診療科で必要なことであると考え、心療整形外科という視点を

提唱してきた。整形外科や歯科にも、身体的治療と同等以上の心身医学的視点が

必要である。心療内科や精神科では決してできない心身医療がある。さらにいえば

身体科医だからこそできる心身医療、身体診療科医にしかできない心身医療が

必ずある”というお考えには、心から共感しました。


何度も本ブログに書いているように、私は精神医学書を読むのが好きで、

恐らくは一般的な歯科医師よりは精神医学に関する知識は多く持っていると

思います。

でも、言うまでもなく精神科医としてのトレーニングも経験も積んでいる

訳ではないので、あくまで“本で読んだ知識”なのです。

私はあくまで歯科医であることを逸脱してはいけないと考えています。

そして、その上で、“本で読んだ知識”と実際の経験を生かして、

当院に来院された患者さんに“身体化医にしかできない心身医療をする”

ことを目標にすれば良いのだということを、谷川先生のご講演を聞いて、

再確認できました。


会場で販売されていた谷川先生のご著書「腰痛をこころで治す」も購入。

(私も若干の腰痛持ちなので、実践的でもあったのですが、、、)

その中で、特に印象に残ったのは、、、

“ある診察室にいるその患者さんとその医師は世界中で一組だけのものであり、

他のどんな一組とも違うものだからです”

“患者医師関係の中で医師自身は自分を見つめなおさなければいけません”

という記載でした。

また、

“痛みという主観的症状には必ず心理的要素が関与します”

これは、日常の診療で私も感じていたことでした。


五島先生のご著書「自宅で治せる めまいリハビリ」も購入しましたが、

まだ読めていません。


会場のロビーで心身医学の専門書を漁っていた私に、

「おはよう!清水先生!」と声をかけてくださったのは、

日本の歯科心身医学の重鎮である和気裕之先生。

「ボクの“サイコ・デンティストリー”も第二版が出たんだよね」

とおっしゃり出版されたばかりのご著書を指さしました。

“サイコ・デンティストリー「歯科医のための心身医学・精神医学」”の初版は、

私の座右の書の一冊で、2009年の発売時に購入して

何度も読み返した本だったので、その第二版ももちろん

(和気先生の目の前で)購入。

他にも、何冊も心身医学関係の本を購入。

医学書は高価です!

“散財”にならないように、一所懸命読んでいこうと思います。


今回の大会長である医科歯科大の豊福明先生のおっしゃった

「“その歯科治療で、当の患者本人は本当に幸せになったのか”ということを

つねに考えて毎日の診療をしないとならない」(大意・文責 清水)

ということを肝に命じて、これからも“心も診れる歯科医”に

なれるよう、頑張ろうと思います。


閑話休題


当院で、訪問歯科診療に取り組み始めてから約9ヶ月が過ぎました。

実際に摂食嚥下の指導などを行っているのは、私ではなく代診の先生ですが、

私も同行することもあり、そんな中で色々と考えさせられました。

次は、訪問歯科診療について書いてみる、、、予定です、、、あくまで予定。

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コメント: 1
  • #1

    五島史行 (土曜日, 26 9月 2015 13:09)

    この度は歯科心身医学会での講演をお聞きくださいましてありがとうございました。おくればせながら
    耳鼻咽喉科領域でも心身医学の研究は少しずつ行われてきております。今後ともよろしくお願いいたします。